活字離れ?、、、2010年本屋大賞 決定!
村上春樹さんのベストセラー小説「1Q84」の第3巻(BOOK3)が16日の全国一斉発売から3日間で推計約40万部売れ、全国の半数の書店で品切れになった。
増刷分が書店に届くのは23日以降だという。
3巻の発行部数は、発売日に決まった10万部の増刷を含め、計90万部になっている。1、2巻を新たに手にとった人も多く、1巻は7万部、2巻は5万部の増刷も20日に決めた。これで3巻合計では346万部となった。
初日の売れ行きは1・2巻の倍以上 読者層に広がり
1、2巻で長く続いた品切れが、予想以上に大きなハングリーマーケットを作っていた。深夜・早朝の店頭の行列、売り出しから1時間で約100冊売れた店、午前中での完売店……。
紀伊国屋書店の午後8時の調べでは、全店合計で約9千冊が売れた。1、2巻の初日の売り上げの倍以上のペースだったという。買った人の年齢をレジで推定したデータをまとめてみたところ、午後5時まででは19歳以上29歳以下は27.3%、30歳以上49歳以下は49.5%だった。50歳以上は22.1%。男性47.4%、女性52.6%で、初日の売り上げは、1、2巻と比べ、各年代の差が少なくなり、従来の愛読者の枠を超えて読者が広がったことがうかがえる。
16日に書店で第3巻を購入した人たちに聞くと、「デビュー当初から読んでいる」(56歳、男性会社員)というコア読者に支えられながら、「高校生の時に『ノルウェイの森』を読んで以来、読むようになった」(29歳、女性会社員)、「20歳ぐらいのとき、当時付き合っていた彼に勧められた『ノルウェイの森』が面白かったので」(37歳、女性)と、ミリオンセラーの『ノルウェイの森』で広がった読者が定着している。
また「大学で半年かけて読み、独特の文章と文章の間のつながりが見いだせた」(21歳、大学生)、「高校時代の先生に勧められて」(27歳、男性)と世代を超えて手渡されている。
さらに「海外の文学賞を取ったというニュースで関心を持った」(27歳、男性会社員)、「『1Q84』がすごく売れていると聞いて初めて読んだ」(47歳、会社員)と、ここ数年の報道で読み始めたという人たちも多かった。
翻訳家の鴻巣友季子さんは「『海辺のカフカ』のころと雰囲気が変わって、村上さんの新作が社会的、時事的な問題としてとらえられるような雰囲気になった。それが爆発的に売れた理由ではないか」と見ている。
本屋大賞に冲方丁さん 「天地明察」
全国の書店員が「最も売りたい本」を投票で選ぶ「2010年本屋大賞」の受賞作品が20日、冲方丁(うぶかた・とう)さんの「天地明察」(角川書店)に決まり、東京都内で贈呈式が開かれた。村上春樹さんのベストセラー「1Q84」は10位だった。
冲方さんは岐阜県出身、福島市在住。「天地明察」は、江戸時代の暦学者渋川春海の生涯を描いた時代小説。贈呈式で冲方さんは「受賞を励みにより良い作品をつくっていきたい」と緊張した面持ちで喜びを語った。
2位以下の作品は次の通り(敬称略)。
(2)夏川草介「神様のカルテ」
(3)吉田修一「横道世之介」
(4)三浦しをん「神去なあなあ日常」
(5)小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」
(6)川上未映子「ヘヴン」
(7)藤谷治「船に乗れ!」
(8)有川浩「植物図鑑」
(9)東野圭吾「新参者」
(10)村上春樹「1Q84」
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